家のリビングで夫と向かい合って座っていると、何か大事な話をしなければならないという気持ちが強くなりました。
夫は定年を迎える前に、これからの生活についてしっかりと話し合いたいと思っていました。
私たちの子どもはもう大学生で、手がかからなくなったとはいえ、夫の仕事が終わった後の生活がどうなるのか、二人で考えていかなければならないと思っていました。
しかし、話を切り出すと夫はいつものように「俺はまだまだ働きたいし、何も考えていない」と言って、話がまったくかみ合わなくなってしまいました。
私の心の中では、これからの生活がどうなっていくのかという不安が広がっていくばかりでした。
そんなある日、職場のランチタイムに同僚が「あなたは自由でいいわね」と言ってきました。
彼女は毎日育児に追われている中で、私の生活を羨ましいと思っているのだろうと感じましたが、私の心の中には複雑な感情が渦巻きました。